ベルルッティで靴を買うー芸術的なワンアイレットダービー

靴の宝石と呼ばれるベルルッティ。その魅力は何よりもエレガントでセクシーなベネツィアレザーです。生後3ヶ月の子牛からとったカーフを特殊な方法でなめし色付けしたベネツィアレザー。水には弱いけれど、パティーヌ(染め)との相性がよく、長く付き合うことのできる革です。持つ人の感性に合わせてパティーヌを施すことで、世界に一足しかない靴を持つことができるのもベルルッティの特長です。そんなベルルッティの靴を一足紹介します。

ピエールコレクション(Pierre Collection)

このコレクションは、2009年位に登場したもので、今は販売されていません。代表的なモデルであるアレッサンドロは、今20万円後半くらいしますが、当時はまだ10万円台で買えた時代。このビエールコレクションは13万円くらい(シューツリー別)で購入しました。
ベルルッティ ピエール berluti  パティーヌ patine

ワンアイレットのダービーです。脱ぎ履きし易いですが、長いノーズがしっかり足を支えてくれます。
ベルルッティ ピエール
 つま先にはストレートチップを変形したようなメダリオン。ドレスアップしても違和感のないスタイルです。
 サイドから見たVフロントダービーの意匠は親子穴がさり気なく飾られています。
 ヒールカップは小ぶりで、履口の広いワンアイレットの欠点を上手くカバーし、しっかりと足をホールドしてくれます。
 この親子穴、よく見ると少し角度がついており、つま先のメダリオンと調和しています。
 マッケイで作られているため、糸はありませんが、きれいにコバも整えられており、ドレッシー感が強調されています。
 タンは長くもなく、短くもなく、足に負担のかからない曲線で作られています。
 このピエールコレクションは、ベルルッティ一族のオルガベルルッティが手がけたものです。現在はクリエイティブディレクターとしてハイダー・アッカーマンがデザインを手がけており、ベルルッティの伝統を大切にしながら、新たな風を吹き込んでいます。今風のベルルッティもいいですが、数年前のベルルッティにはデザイン、履き心地など全体的に調和が取れた靴が多かったように思います。

次回は、別のベルルッティを紹介したいと思います。

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