【番外編】ビスポークテーラーの聖地を語る『SAVILE ROW サヴィル・ロウ』

savile row tailer bespoke suit サヴィル・ロウ ビスポークスーツ テーラー テーラーリング RICHARD ANDERSON (リチャード・アンダーソン) ANDERSON & SHEPPARD (アンダーソン&シェパード) DEGE & SKINNER (ディージ&スキナー) EDE & RAVENSCROFT (イード&イヴェンスクロフト) TIMOTHY EVEREST (ティモシー・エヴェレスト) GIEVES & HAWKES (ギーブス&ホークス) HUNTSMAN (ハンツマン) NORTON & SONS (ノートン&サンズ) HENRY POOLE (ヘンリー・プール) SPENCER HART (スペンサー・ハート) WELSH & JEFFERIES (ウェルシュ&ジェフェリーズ)
サヴィル・ロウにあるヘンリー・プールのショップ地下の工房

本書では、サヴィル・ロウの歴史を振り返り、その栄光と挫折の道のりをたどる。サヴィル・ロウの発展に欠かせないものの一つとして、ミリタリーテーリングをあげる。軍服は画一的なものではなく、部隊の進出する風土、気候によりその素材からデザインを適応させる必要がある。また、軍人たるもの、戦場だけが仕事の場ではない。時に社交の場においても力を発揮する必要がある。故に、多種多様なテーラーへの要求を受け止めてきたのばサヴィル・ロウの発展の歴史でもあった。しかし、アメリカ文化の進出により、危機にあえいだ時期もあったというう。

一流のテーラーになるには、10年程度に渡る修行の期間が必要だ。その期間、職人はアプレンティス(見習い)として少ない給料ながら働く傍ら、自分用に洋服を仕立てることで技術を磨いていく。そうやって様々なパターンの試行錯誤をしていくわけだが、洋服を仕立てるだけではピースが足りない。ピースとは靴である。都合よく、サヴィル・ロウのそばにはジャーミンストリートがあり、そこにはビスポークシューズのアプレンティスが技術を磨いているのであった。こうして、サヴィル・ロウとジャーミンストリートのアプレンティス同士が、お互いの体を採寸仕合い、お互いのビスポーク・プロダクトを交換することで交流が生まれたという。

ビスポーク・テーラーのクラスターであるサヴィル・ロウには、歴史の深いテーラーから、新参のテーラーなど幅広い店舗が集積している。本書では、11のテーラーに注目し、それぞれの歴史をたどるとともに、顧客との逸話などを盛り込みながらテーラーごとの特徴を明らかにしている。紹介されているテーラーはこちら。

RICHARD ANDERSON (リチャード・アンダーソン)
ANDERSON & SHEPPARD (アンダーソン&シェパード)
DEGE & SKINNER (ディージ&スキナー)
EDE & RAVENSCROFT (イード&イヴェンスクロフト)
TIMOTHY EVEREST (ティモシー・エヴェレスト)
GIEVES & HAWKES (ギーブス&ホークス)
HUNTSMAN (ハンツマン)
NORTON & SONS (ノートン&サンズ)
HENRY POOLE (ヘンリー・プール)
SPENCER HART (スペンサー・ハート)
WELSH & JEFFERIES (ウェルシュ&ジェフェリーズ)

さて、ビスポークといえばやはり値段が気になるところ。そのたとえとして挙げられてたものは、フルビスポークの2ピーススーツで、納期が8週間、平均3,000ポンド(130円/390,000円)というものでした。ビスポークシューズと比べてやはり納期が非常に短い印象です。値段はビスポークシューズと同じくらいでしょうか。100万円あれば、サヴィル・ロウとジャーミンストリートで、スーツ、シャツ、ネクタイ、革靴がビスポークで揃えられる皮算用です。
簡単に100万円といっても、仮縫いなど含めると数回の渡航が必要なので、まずは本書を見ながらビスポークテーラーの世界に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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