台湾の誠品生活の成功から占う日本進出成功のカギ

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誠品生活(the eslite spectrum)は、誠品書店(the eslite bookstore)を中心とした物販に加え、各種雑貨の手作り体験などコト消費にもいち早く取り組んでいる台湾で人気のライフスタイル百貨店です。創業30年にわたり、台湾で店舗を拡大しつつ、地域や観光客の需要を取り込んできました。そんな誠品生活ですが、2019年の秋に日本にも進出することが決定しています。日本では年々百貨店の売上が落ち込む中、新たな起爆剤となるか注目を集めています。
今回は、台湾の誠品生活を少し覗いて、日本での展開モデルを考えてみたいと思います。

台北の誠品生活の場所

台北市内だけでも複数店舗展開しています。
一番大きいのが今回紹介する誠品生活松菸店です。最寄りは市政府駅で、おしゃれなカフェや洋服店の集積するエリアを超えると広大な誠品生活ビルが見えてきます。
それでは早速中を見ていきましょう!

誠品生活のフロア構成

1Fにはカフェや雑貨店が配置されています。かなりランダムに、かつ各お店の境目も明確に線引きされておらず、来店客の回遊を促すレイアウトになっていました。
カフェ
カフェのすぐそばに靴屋さん
2階や3階にも各種雑貨屋さんなどがたくさん入っており、テナントとして入居している店舗もあります。最大の特徴は、多くのお店でコト消費を促している点です。例えばこちらのお店。
レザークラフトのお店ですが、手作り体験スペースが常設されており、定期的にワークショップを開催しています。こういったお店が各フロア数店舗づつ入っているのが特徴です。
ガラス細工体験など本格的な設備も揃えられています。
工房で作られた商品でしょうか。このようにうまくコト消費とモノ消費を組み合わせているのは上手ですね。

さらに上のフロアには、台湾名産品のコーナーがあります。インバウンド消費を強く意識しており、多くの売上も期待されているエリアでしょう。
空港で買うよりも品揃えが豊富です。パイナップルケーキ、太陽餅、豆のお菓子、しいたけチップスなど人気のお土産が勢揃いしています。

そして最上階には目玉の誠品書店が入っていました。
個人的な印象ですが、書店自体は日本の蔦屋などのほうがクオリティが高い印象です。ただ、本のレイアウトの仕方が上手で、ライフスタイル別に展示されているので、自分にフィットするエリアに行くと、興味のある本が続々見つかり、とても楽しく過ごすことができます。本を読めるスペースも充実していました。
お菓子レシピの本を集めたコーナーなど

日本での誠心生活のコンテンツは?

さて、実際に日本にくる誠品生活のコンテンツはどんな感じになるでしょうか。それを少し予想してみたいと思います。

書店よりもコト消費にウェイト

誠品書店は、蔦屋っぽい印象なので、日本の消費者にはあまり響かない可能性があります。それよりも、雑貨店などのテナントの多様性がキーになると思われます。さらにそういった店舗でのコト消費が、日本の消費者並びにインバウンド客に大きく響く構成となるでしょう。

名産品は台湾のもの中心に少し日本のもの

台湾の店舗では、台湾お土産に大きな面積を締めながらも、韓国、日本の名産品コーナーも一部ありました。地元客とインバウンド客両者を意識した構成ですが、日本ではおそらく日本人客を意識し、台湾名産品が中心になると思われます。近々のタピオカなど台湾ブームにあやかり、また日本人の親台感情を取り込む品揃え中心になるでしょう。一方、インバウンド客にもアピールするため、若干の日本名産品も取り扱うものと思われます。

飲食店は日本と台湾半々くらい

飲食店では多様な客を取り込むため、上記のような構成になると思われます。タピオカ関係はおそらく2店舗以上は入るのではないでしょうか。個人的には魯肉飯などの台湾グルメのチェーン店、鼎泰豊、台湾サンドイッチなどのお店に加え、寿司店、だし、緑茶などのお店が入るのではないかと思っています。

というわけで、誠品生活は書店が目玉ではあるものの、その他の店舗に重点をおいて開発していくものと思われます。立地が日本橋なので、オフィスワーカーに加えて観光客両方に響く構成とするために、既存のコレドの店舗を参考にしながら、独自のテナントなどを入れていくものと思われます。勢いのあるコレドと組んでいるのも好印象ですね。実際に店舗がオープンしたらまたレビューしたいと思います。

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