伊勢丹靴博2019は大盛況のうちに幕を閉じましたが、いくつか印象深い靴ブランドを提示してくれました。そのうちの一つがCAGIANA(カジーナ)です。実はこのブランド、紛れもない日本ブランドなのですが、あまり知られていないブランドです。それもそのはず、本業は住宅メーカーなのですが、社長の靴好きが講じて靴作りも始めてしまった兼業メーカーらしいのです。スタートはまさに今年の2019年。これからどのくらい伸びるか未知数ですが、面白いビジネスモデルを展開しているので、紹介を兼ねて分析をしてみました。
CAGIANAの靴
靴博では、10足程度出店しており、どれもインパクト抜群でした。一部をご紹介。パティーヌを聞かせたダブルモンクですが、ウェルトの上に散りばめられたスタッズが特徴の一足。
こちらはキャップトゥオックスフォード。上と同様スタッズが埋められておりハードに仕上げられた一足です。
こちらはウイングチップ。
スタッズのないスリッポンもあります。しっかりとしたグッドイヤーの靴です。
そして最後はアッパーに埋められたスタッズが主張しまくるブーツ。素人は履きにくい…。
と、全体的にハードな様相の靴が多いですが、作りの割にコスパは高い印象です。しっかりとしたカーフのレザーを使いながら、ハンドパティーヌが施されているので、このクオリティで10万円を切る短靴は普通のメーカーではなかなか出せないところ。
新興メーカーとはいえ、20年以上のベテラン職人を雇い、靴作りをしているとのこと。品質は間違いなさそうです。
CAGIANAのビジネスモデル
CAGIANAはメーカーといえど、自社で店舗を持たず、ましてやどこかに卸して販売もしていません。靴博では特別出店という形で展示販売をしていましたが、通常はネット通販のみです。フィッティングが肝となり、ネットだけでは販売が難しいとされている革靴ですが、カジーナはZOZOっぽいやり方で巧みに靴を販売するモデルを構築していました。鍵となるのがこちらのアイテム。右にあるフットルーラーです。
カジーナのネット上でこのルーラーは110円で販売していますが、靴博では無料配布していました。ルーラーには「足長を図るメジャー」に、「足囲を図る輪っか状のメジャー」もついています。更に、ペーパーの上に足を乗せ、写真をとる台紙もあります。
つまり、足長、足囲、写真という3つの情報から、最適な靴サイズを洗い出し、足にあった靴を選んでくれるというのがカジーナのネットフィッティングなのです。しかも、購入後1年以内はフィッティングが合わない場合は修正も行ってくれるとのこと。
ネットでフィッティングするサービスは徐々に出てきていますが、まさにカジーナはその先駆けと言えるでしょう。新興メーカーならではの挑戦をこれからもしてくれると思います。
靴の品質の良さだけではなく、ビジネスモデルにも注目していきたいと思います。
CAGIANA(カジーナ)
https://cagiana.jp/
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