靴紹介

林果良品で靴を買うー3/4ブローグの汎用性高いウイングチップ

林果良品（Oringo Shoes）は、台湾で展開されているMade in Taiwanの革靴ブランドです。革靴のラインナップは多岐に渡り、女性用革靴も揃えたりと、一流ブランドにも引けを取らない品数を誇っているにも関わらず、コストパフォーマンスは非常によく、個人的に注目しているブランドです。
今回は、ゲットした靴を紹介しながら、林果良品の品質を紐解いて行きたいと思います。

林果良品の製法について

コストパフォーマンスと切っても切れないのは、製法です。マシンかハンドか、セメンテッドかグッドイヤーか、等によって大きく価格が変わってくるのが紳士靴の世界。。製法次第で耐久性、修理性などが変わるので、製法に注目することで価格の正当性も浮かび上がってきます。
林果良品の製法は、その動画から明らかになっています。

いくつか特徴的な部分を上げると、「マシンではなくハンドラスティング」「オーブン加熱でラスティングを加速」「底付けはマッケイ」ですね。ラスティングとは、木型に革を吸い付かせ、形状を革に記憶させる工程ですが、この工程をハンドでやるのがハンドラスティングです。ハンドラスティングは熟練工がやっています。オーブン加熱でラスティングを加熱させることで、一足を作り上げるリードタイムを短くしているのも特徴的。さらに唯一といっていい大型機械は、機械式マッケイで使うミシンでした。
やはりいちばん驚くのがハンドラスティングですね。量産型ブランドにも関わらずハンドラスティングを貫き通すのはすごい！

ゲットした靴は3/4ブローグの黒のウイングチップ

今回ゲットしたのは、黒のスムースレザーのウイングチップです。ヴァンプとクォーターの境目にはブローギングが施されていないので、フルブローグではなく、3/4ブローグです。価格は6,988台湾ドル(約 27,000円)でした。
ソールはレザー。しっかりと染料を染み込ませた上で磨き上げられています。

ヒールトップの意匠も特徴的。なんと、ヒールトップの交換は一回無料！

ちゃんとマッケイで作られてんの～？とこの価格だと疑いがちですが、こちらを見ると、動画のようにナイフでしっかりドブを起こして縫われている様子がわかります。

ドブ起こしの入り口が見えます

この価格ならオープンチャネルで縫い目を見えるようにしてもいいはずなんですが、クローズでしっかりやっているところに職人の心意気を感じます。
その他細部を見てみると、インソールも少し趣向が凝らしてありました。

インソールというかソックは、ウレタン製なのか少しふかふかしていて、足を入れると沈みます。これが適度なフィット感を創出して湿度のコントロールもしてくれるスグレモノ。いわゆるコンフォート製を組入れている点もちょっと他のブランドとは異なっています。
最後にステッチやブローギング。

アッパーのクロージングももちろんハンドで行われており、ブローギングもハンド。という点を踏まえてもしっかりとした作りです。ハンドゆえ精緻さはさほどあるとは言えませんが、クオリティとしては十分でしょう。お尻構えはこのような感じ。

あと、肝心のラストですが、アジア人にあったラストという触れ込みでしたが、まさにそのとおり。甲高な足でもフィットするものの、ボールジョイントは広めにとったラストなので、私にもぴったりでした。
さて、黒のウイングチップはドレスアップしてもドレスダウンしても履けるので重宝します。普段はスーツに、休日はチノパンになどヘビロテ入りすること間違いないので、一足は手元においておいていいでしょう。雨の日だけは避けながら、大切に履きたいと思います。